「電験三種の試験当日って、実際どんな感じ?」
この疑問にお答えするべく、この記事では**令和4年度上期に電験三種を受験し、一発合格を果たした私の“試験当日のリアルな体験談”**をお届けします。
私にとって電験三種は、大学受験以来となる本気の試験勉強。
試験当日の朝の過ごし方から、各科目の試験中に感じた焦りや手応え、帰宅後の自己採点まで――実体験に基づいて正直に綴っています。
これから電験三種を受験する方にとって、本番当日の雰囲気や注意点を事前にイメージすることはとても大切です。
この記事を読むことで、試験本番で落ち着いて実力を発揮できるようになるはずです。
目次
当時の私の勉強状況など
電験三種に向けた本格的な勉強を始めたのは、受験の約1年8ヵ月前。ただし、その間ずっと継続していたわけではなく、途中に数ヶ月ほど全く勉強していない時期もありました。実際に机に向かっていた期間を振り返ると、だいたい1年ほど。トータルの勉強時間はおよそ1000時間くらいだったと思います。
本番に向けた実力チェックとして取り組んだ令和3年度から平成24年度までの過去問では、最新年度から順番に解いていき、ほとんどの年度で合格点を超える結果が出ていたので、「これは一発でいける!」という自信はありました。
ただ、当時はちょうどコロナ禍の真っ只中。試験自体よりも、直前に感染して受けられなくなるんじゃないか…という不安のほうが大きかったです。試験直前には有休を取って、できるだけ人混みを避けるようにしたり、感染対策にもかなり気をつけて過ごしていました。
ちなみに令和3年度から平成24年度までの過去問の実力チェックの結果は以下の通りです👇
赤枠が合格基準点を下回っている箇所です。

起床から会場まで
電験三種を受ける前にも、第三種冷凍機械責任者などの資格試験をいくつか受けたことはありましたが、「本気で勉強して臨む試験」は、大学受験以来これが初めてでした。その分、当日の緊張感もまるで違いました。
試験当日は、不安を少しでも減らすために、事前に会場までのルートを下見済み。念のため、朝はいつもより早めに起きて、余裕を持って出発しました。
電車を乗り継いで最寄駅まで行き、そこからはバスに乗って会場を目指します。バス停にはかなり早く着いたつもりでしたが、私の後ろにどんどん受験生らしき人たちが並び始め、気がつけば行列は駅の階段まで続いていました。ざっと見ても100人以上いたんじゃないでしょうか。
幸い、私は先頭の方だったので無事にバスに乗れましたが、後ろの方の人たちは次のバスを待たなければならなかった様子。あの時ばかりは「早め行動、大事!」と心から思いましたね。
バスの待ち時間や会場入りしてからの空き時間は、持ってきた「弱点ノート」で最後の見直しをしていました。特に覚えづらかった公式や、引っかかりやすいポイントをざっと確認。
ちなみに、当日はコロナ対策で会場入口での検温がありましたが、体温は問題なし。まずは無事に“第一関門”突破、といったところです。
【合格者が語る】試験当日の科目別リアルレポート
試験当日のリアルな様子を、各科目ごとに振り返っていきます。
問題の傾向や、実際に感じた難易度、試験中の心境など、受験生目線で正直にまとめました。
これから試験に挑戦する方の参考になれば嬉しいです!
📅 時間割
時限 | 科目 |
---|---|
第1時限目(9:15~10:45) | 理論 |
第2時限目(11:25~12:55) | 電力 |
第3時限目(14:15~15:45) | 機械 |
第4時限目(16:25~17:30) | 法規 |
なお、試験問題と解答は下記のリンクから確認できます。
第三種電気主任技術者試験の問題と解答 | 第三種電気主任技術者 | 電気主任技術者 | 一般財団法人 電気技術者試験センター
第1時限目【理論】(9:15~10:45)
まずは最初の山場、理論からスタート。
最初の問1はコンデンサに関する論説問題で、「誤っている選択肢を選べ」という内容。選択肢はどれも正しそうに見えて、いきなり悩む…。
怪しいなと思いつつ、ここで時間を使いたくなかったので、とりあえず一旦パス。
続く問2はクーロン力に関する計算問題。これも、解けそうで解けない…。
「やばい、最初からつまずいた…。このまま落ちるかも」と、一気に焦りが押し寄せてきました。
でも、問3あたりから流れが変わります。
次第に手が動き始めて、解ける問題が増えてきたんです。難しい問題もありましたが、考えながら式を立てていくうちに、自然と答えにたどり着くような感覚になっていきました。
最後にパスしていた問1と問2に戻り、時間ギリギリまで粘って「これっぽいかな」という選択肢をなんとかマーク。
序盤はかなり焦りましたが、後半にかけて盛り返すことができたので、理論全体としては手応えアリです。
第2時限目【電力】(11:25~12:55)
続いて電力。
論説問題は、何問か自信がないものもありましたが、全体的に見ればそこまで難問はなかった印象。
計算問題はスムーズに解けるものが多く、時間的な余裕もあり、手応えを感じました。
昼休み
午前の2科目を終えて、思った以上に頭を使っていたせいか、昼前にはすでにかなりの疲労感。
頭痛も出てきて、午後の試験は集中力や体力がもつか、体調面が不安でした。
昼食はあえて軽めにして、午後に備えて栄養ドリンクでエネルギーチャージ。
この休み時間は、持参した弱点ノートを見返したり、電験合格の講義ノートや法規の暗記プリントを見直していました。
第3時限目【機械】(14:15~15:45)
午後は機械。
計算問題はそれほど難しくなかったものの、論説問題で「おや?」と感じる内容が。
スコット結線やナトリウム-硫黄電池に関する論説問題が出てきたのですが、これは三種用の参考書では見たことがない分野で、全く分かりませんでした。
さらに今回は情報通信系の問題が目立っていて、「今までの傾向とはちょっと違うかも」と感じましたね。
とはいえ、全体としては難易度はそれなり。十分に対応できた手応えはありました。
第4時限目【法規】(16:25~17:30)
ラストは法規。
A問題では、初見の文章穴埋め問題(問9)や、長文の計算問題(問10:OCRに関する内容)など、難問もあり、なかなか気が抜けませんでした。
問9は文章の前後からなんとか推測して正解できましたし、問10は計算ミスがあったものの考え方は合っていて、選択肢の中から一番近い答えを選んで正解。
B問題では、問11の計算問題で「答えを3倍にするのかどうか」で迷いました。
実際、選択肢には“3倍した値”と“していない値”の両方があり、どちらもあり得る…。最終的には自分なりの判断で3倍した方を選びました。
多少の迷いや不安はありましたが、全体としては大きく崩れることもなく、最後までやり切ることができました。
試験終了~帰宅
長い一日が終わり、ようやく試験終了。
会場の外には、受験生専用の無料バスが手配されていて、スタッフの案内でスムーズに乗ることができました。
バスの中では、「法規はちょっと難しかったけど、合格点はいけたはず」と、自分に言い聞かせるようにして帰路に着きました。
帰り道では、X(当時はTwitter)で他の受験生の声をチェック。
すると、法規の問11(計算問題)に関しては、私の答えと違う解答をしている人が多いことが判明。
しかも、カフェジカの解答速報チームの中でも見解が分かれていて、速報では私と違う答えが正解になっていました。
いや、でもこれは自分の解答が正しい、と自信がありました。
後日速報が修正され、結果的に私の解答が正しかったと判明しました。
🏠📝 帰宅後の自己採点
自宅に戻ってから、すぐに自己採点をスタート。
⚡ 理論
最初に悩んで時間を取られた問1と問2は、やはり不正解。
さらに計算問題で2問ミス。うち1問は明らかなケアレスミスで、電卓の操作を間違えていたという悔しいミス。
とはいえ、トータルでは80点。合格ラインは余裕でクリアです。
🔌 電力
計算問題はすべて完答。
論説問題では3問ミスしたものの、85点と十分な出来。感触通りの結果でした。
⚙️ 機械
ここで予想外の展開。
1問ずつ確認していくと、思った以上にミスが多い…。
計算問題では√3で割るのを忘れていたり、過去問とまったく同じ問題なのに勘違いして間違えたりと、ケアレスミスが続出。
結果は60点。ギリギリ合格ラインですが、正直焦りました。
マークミスしていたら落としていたかもしれない…と思うと、ゾッとします。
📜 法規
一番自信がなかった法規。
ところがフタを開けてみると、A問題で2問ミスしただけ。B問題(計算)も完答で、なんと88点!
まさかの高得点に、自分でも驚きました。
試験結果(自己採点)
令和4年度上期の電験三種について、公式解答と照らし合わせて自己採点した結果をまとめました。
一発合格の自信はありましたが、機械だけはギリギリでした。
自己採点(総合得点)
科目 | 得点 | 判定(合格基準) |
---|---|---|
理論 | 80/100点 | ◎ 合格(60点以上) |
電力 | 85/100点 | ◎ 合格(60点以上) |
機械 | 60/100点 | ◎ 合格(55点以上) |
法規 | 88/100点 | ◎ 合格(54点以上) |
各科目・各設問の正誤まとめ
理論 | 電力 | 機械 | 法規 | ||||
問1 | × | 問1 | 〇 | 問1 | × | 問1 | 〇 |
問2 |
× |
問2 |
〇 |
問2 |
× |
問2 |
〇 |
問3 | 〇 | 問3 | 〇 | 問3 | 〇 | 問3 | × |
問4 | 〇 | 問4 | × | 問4 | 〇 | 問4 | 〇 |
問5 | 〇 | 問5 | × | 問5 | 〇 | 問5 | 〇 |
問6 | × | 問6 | 〇 | 問6 | 〇 | 問6 | 〇 |
問7 | 〇 | 問7 | 〇 | 問7 | 〇 | 問7 | × |
問8 | 〇 | 問8 | 〇 | 問8 | 〇 | 問8 | 〇 |
問9 | 〇 | 問9 | 〇 | 問9 | × | 問9 | 〇 |
問10 | 〇 | 問10 | 〇 | 問10 | × | 問10 | 〇 |
問11 | 〇 | 問11 | 〇 | 問11 | 〇 | 問11(a) | 〇 |
問12 | 〇 | 問12 | 〇 | 問12 | × | (b) | 〇 |
問13 | 〇 | 問13 | × | 問13 | × | 問12(a) | 〇 |
問14 | 〇 | 問14 | 〇 | 問14 | 〇 | (b) | 〇 |
問15(a) | 〇 | 問15(a) | 〇 | 問15(a) | × | 問13(a) | 〇 |
(b) | 〇 | (b) | 〇 | (b) | × | (b) | 〇 |
問16(a) | 〇 | 問16(a) | 〇 | 問16(a) | 〇 | ||
(b) | 〇 | (b) | 〇 | (b) | 〇 | ||
問17(a) | 〇 | 問17(a) | 〇 | 問17(a) | 〇 | ||
(b) | × | (b) | 〇 | (b) | 〇 | ||
問18(a) | ー | 問18(a) | ー | ||||
(b) | ー | (b) | ー |
各科目の合格率
令和4年度上期の合格率は8.3%。各科目の合格率は以下の通りでした👇
こうして見ると、令和4年度上期は「機械」と「法規」が難しい年だったことが分かります。
実際に機械と法規は合格基準点が引き下げられました。
科目 | 合格率 |
---|---|
理論 | 23.1% |
電力 | 24.2% |
機械 | 11.3% |
法規 | 14.7% |
所感|電験三種を受けて感じたリアルな本音
実際に電験三種を受けてみて、試験中のことや終わった後に感じたことを正直にまとめてみました。これから受験を控えている方の参考になれば嬉しいです。
【要注意】電験三種は“体力勝負”?実感した4科目受験のキツさ
電験三種の試験は4科目。しかも朝から夕方までの長丁場です。
これまでにも資格試験をいくつか受けてきましたが、ここまで1日中頭をフル回転させる試験は初めてでした。
しかも電験三種は「知識を思い出す」だけではなく、「その場で考えて解く」問題も多く、思考力と集中力を使います。
私は午前中の試験が終わった時点でかなり疲れてしまい、昼休みには頭痛も出ていました。
今はCBT方式もあって、1日で全科目を受験しなくてもいいようですが、私が受けたときは4科目一括受験。
これから挑戦される方は、体力面や体調管理にもぜひ気をつけてほしいなと思います。
【焦りとの戦い】本番で感じた“予想外のプレッシャー”とは
過去問では多くの年度で合格点を超えていて、自分の中では「これは一発合格いける!」と自信を持って本番に挑みました。
ただ…やっぱり本番は全然違いました。
家で過去問を解いているときは、たとえ解けない問題があっても落ち着いていたのに、
試験本番でいきなり理論の問1・問2がまったく分からず、頭が真っ白に。
「いきなり理論で落ちるかも」と、かなり焦りました。
でも、問3からは解ける問題が続き、なんとかペースを取り戻すことができました。
この経験から感じたのは、「難しい問題にこだわりすぎず、まずは解ける問題から確実に取る」のが本番での鉄則ということ。
最初に焦ると、引きずってしまって他の問題までミスする原因になるので、切り替えの早さが勝負を分けるなと実感しました。
おわりに
電験三種は「正しい勉強法 × 継続力 × 本番力」が合格のカギ。
この記事で少しでも試験当日のイメージや、気をつけるべき点が掴めたら嬉しいです!
次は、あなたの番です。合格に向けて一歩ずつ進んでいきましょう!
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